2020-05-03

5月17日のトークイベントは中止となりました。

現在開催中のつくば市の千年一日珈琲焙煎所さんでの「弁造さんのエスキース展」も残すところあと2週間程度。この展示が巡回展の最後となるため、一人でも多くの人に弁造さんの絵への思いを感じていただきたいところですが、コロナ禍のおかげで悔しい思いをしています。

でも、弁造さんが生きていたらきっと「なんでも人間の思うようにはいかん。スペイン風邪のときもそうじゃった。ちょっとしたもので人間の世界なんて簡単に崩れる。わしの庭は、今のような世の中には必要だと思わんか?また、ここから始めればいんじゃ」などということを言うような気がします。

実は弁造さんは、100年前のスペイン風邪大流行の際、姉妹の一人を亡くしています。そのときの記憶を僕は何度か聞いたことがあるのですが、こうしてコロナウイルスが流行を体験すると歴史は繰り返されるという思いを強くします。そして、繰り返される災いに対抗するには、乗り越えた経験、つまり記憶を持ち続けることではないかと感じます。

コロナで苦しみ、揺さぶられた結果として見つけたものをしっかりと記憶し、糧としていく。それは、スペイン風邪で逝く姉妹を前にして「わしらは全く為す術がなかった。水さえも与えられんかった」と何度も語ってくれた弁造さんの願いでもあるような気がします。

※5月17日に千年一日珈琲焙煎所さんで予定しておりましたトークイベントは、コロナウイルス感染拡大防止のため、中止することになりました。お楽しみにしていただいた皆様には大変申し訳ございませんが、ご理解いただけますようよろしくお願いいたします。

 

 

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